世界はハードルに満ちている 〜 世界の亜硫酸塩基準値例 〜
~ 前回続き ~
日本においては、「1Kgにつき350mg」
ってのが、果実酒における残留亜硫酸塩の基準値なわけですが
ビオワインの認証制度のこと、少し前に出ましたよね(ビオワインってなんだ 2)。
これにも繋がるお話。
EUにおける通常ワインの亜硫酸塩基準値
国というか連合ですけど、ワインの歴史お膝元、EU。
EUでは「ワイン法」ってのがあるって、前に書きましたよね。 あれ書いてないかな。なんか書いた気はするけどもういいや。あります、ワイン法。
※ じゃあEU加盟国はみんな「EUワイン法」という一律の法律に縛られるのか、と思いきやそうではなく
ワインって「農産物」の側面が強いって、前に書きましたよね。 広い広いEU。気候や土壌、文化には違いがあるため、完全に“一律”とはいきません。
EU加盟国に包括的に規約させる「EUワイン法」があり、それに基づいて、各国の実情に合わせて、それぞれでワイン法を制定しています。
EUにおける「通常のワイン」で許容されている亜硫酸塩の添加量って、こんな。
タイプ | EU通常ワイン (単位:mg/ℓ) |
赤 | 160 |
白・ロゼ | 210 |
発泡 | 150~235 |
甘口 | 300~400 |
あれ?って思いませんか。当時私は思いませんでした、後から気づきましたすいません。
[赤 / 白 / 発泡 / 甘口 ] と ワインのタイプによって分かれてる って。
日本では一律でしたよね。
なんでかって、これも書いた気がしますが
日本において、『ワイン』ってものは存在しないんです、法律上。『果実酒』という括りになる。
だから、ワインに含まれてる成分を「赤は~」「白は~」なんて分けて規定できませんよね。
数値を見て頂くと、日本の果実酒よりは基準が厳しいってことになりますね。
EUに「ビオワイン認証制度」における亜硫酸塩基準値
で、ビオワインってなんだ 2の記事で出てきた「Vin Biologique」。EUのオーガニック認証。 これですこれ。
EUで規定される「ビオワイン」認証を受けるための、亜硫酸塩の許容量がこちら。
タイプ | EUビオワイン (単位:mg/ℓ) |
赤 | 100 |
白・ロゼ | 150 |
発泡 | 120 |
甘口 | 270 |
オーガニックということで、やはりずいぶん減る=基準が厳しくなりますね。
「Biodyvin」における通常ワインの亜硫酸塩基準値
今度は、ビオワインってなんだ 3に出てきた、「ビオディナミ」を推進する生産者団体の有名どころの一つ 「Biodyvin」で規定する亜硫酸塩の許容量がこちら。
タイプ | Biodyvin (単位:mg/ℓ) |
赤 | 70 |
白・ロゼ | 90 |
発泡 | 60 |
甘口 | 150 |
※『Winart』No.71より抜粋
さらに、ぐっと減りますね。より厳格な規定を設けているのがわかります。
この様な生産者団体の場合、この亜硫酸塩の量を下回ることを始め、各種の規定をクリアして初めて、『Biodyvin』の認証を付すことが出来る、というわけです。
ってな感じで 添加物である「亜硫酸塩」の許容量一つとっても 各国の法律でも違いますし、認証制度における生産者団体ごとにも異なってきます。
そして、気になった方いらっしゃるんじゃないでしょうか。
なんで「ワインのタイプによって亜硫酸塩の許容量が違う」のか。
~ 続く ~
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株式会社シェルドレイク 代表村山
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