新ワインのご紹介 1
雨、もうやめて
こんにちは私です代表です村山です。
よくアニメなんかで描かれる崩壊した世界って、晴れることのない厚く垂れ込めた暗い雲、そして止まない雨、みたいな世界観ですよね。
私、ここ1週間この世界観に生きてます。世界終わっちゃったんだなって。人類の8割は死滅したんだなって。もうあの頃の世界は戻って来ないんだなって。
いつかも書きましたが、本当雨が苦手なんです。
心が鬱々とするのはもちろんなんですが、何よりも髪。生来抱えている“天然パーマ”と“多大な毛量”というカルマが、雨の日になると私に牙を剥きます。「あれ?この髪、私の半径5メートルくらいの水分すべて吸い込んでない?」っていう位、膨らみ、そして重力に逆らいます。
今これ書いてるときの髪のコンディション、もう鳥の巣なんて目じゃないですよ。コンドルとか鷲とかガーゴイルとか、大型猛禽類がこぞって「あら良い物件ね」って羽を休めに来るんじゃないですかね。ガーゴイル見たことないけど。
早くこの長い雨が晴れ、この世の終わりが終わってほしいものです。
さて本日は、近々新入荷されるワインを先行してちょっぴりご紹介
という極めて健全な内容でお送り致します。
ようやくです。予約頂いていた方々には特に、お待たせしてしまい恐縮です。
今回輸入したワインも全て、日本初上陸ものであります。
まずは、コチラのワイナリーから。
オーストリアはブルゲンランド州、STIEGELMAR(スティーゲルマール)という家族経営によるワイナリーから4種。
簡単に言いますと、私はこのワイナリー
めっちゃ好きだし、尊敬もしてます。
「どういうワイナリーなのか」についての詳しい話は、別途、近々書かせて頂くと思います。
実はこちらのワイナリー、取引自体は少し前からしてるんです。
企業様向けに、オリジナルラベルに変える、いわゆる「PBワイン」(プライベート ブランド ワイン)ってやつで。
Facebookで投稿してましたね、私。
なので、今現在、日本でこのワイナリーのワインが置いてあるお店は、岡山県の後楽園にある『碧水園』様のみとなります。
という、「PBワイン作れますよ、いかがですか」的な宣伝も微妙に入れつつ
今回発売するワインは、上記とは異なる、初上陸のワインとなります。
Welschriesling 2015(白:ヴェルシュリースリング)
「ヴェルシュリースリング」という品種の白ワイン。
あんまり耳にしませんよね。でも、オーストリアでは比較的メジャーな品種なんです。爽やかでキレの良いワインから、甘口やスパークリングまで、色々使われます。
このワイン、香りがまず大きなインパクト。青リンゴを中心としたその華やかな香りに、目が冴えるようでした。ふわりとリンゴの蜜のような甘やかさもあります。
で、味わいはというと、一瞬「微発砲かな?」って思う様な、生き生きとした酸味と果実味。若干感じる、スパイシーな苦味も良いですね。後味にふわりと感じる果実味も。
とにかく、その味わいの“バランスの良さ”に、グイグイ飲めてしまう。そんなワインです。
Blauer Zweigelt 2013(赤:ブラウアー・ツヴァイゲルト)
重々しさのない、スッキリ目の赤ワインです。品種は、単に「ツヴァイゲルト」と呼ばれることがほとんどですね。
こちらもあまり耳馴染みがないと思うのですが、同じくオーストリアではメジャーな黒品種です。
これも良いんですよ。とっても良い塩梅なんです。
カシスやブルーベリーのような果実香なんですが、甘やかさもあるので、どこかレーズンを思わせるような。
12ヶ月の大樽による熟成を経ているため、ほんのりと香る木樽のニュアンスも心地良さがあります。
味わいはというと、「優しい口当たり」と「ジューシーな果実味」がまず持った印象。生き生きとした酸味もあるんですが、全く嫌な感じは私は感じません。舌に残るキメの細かいタンニン(苦味)、スパイシーな風味も美味しいですなぁ。
煮込み料理やトマト系の料理には、抜群でしょう。
St. Laurent 2014(赤:サン・ローラン)
上記と似た醸造ながらも、全く個性の違う赤ワイン。
「Sankt Laurent(ザンクト・ローレント)」とも呼ばれます。響きでお分かりの通り、ドイツ系ですね。「Sankt=Saint セイント=St. サン」というわけです。
めっちゃカッコいい品種名ですが、こちらもあまり普段見ませんよね。同じく、オーストリア、特にこのブルゲンランド州を代表する黒品種ですよ。
確かに、赤果実系の、共通する香りの特徴を持ちますが、このサン・ローランはもう少し厚みがあるというか、“ピノ・ノワールの野性味ある版”みたいなニュアンスでしょうか。
これね、私イチオシ。
プラムやチェリーを中心とした香りでしょうか。業界でよく使う言葉を引っ張れば“チャーミングな香り”ってやつです。
上述の『Blauer Zweigelt 2013』同じく、大樽で12ヶ月の熟成。ふんわりとまとった木樽の香りもします。
開けてからしばらくすると、クローブとかナツメグみたいな、スパイス系の香りが立ち上がってくるんですが、これがまた心地良いんです。
味わいは、こちらも優しい口当たり。フレッシュな木イチゴを思わせるような、ジューシーな果実味。するりと舌に感じるタンニンと、バランスの良い酸味。
香りと同じく、時間が経つにつれ、スパイシーな風味が前に出てきてアクセントが大きくなりますね。
これらのワインに限りませんが、特に赤ワインは、開栓して時間が経ってからの変化も楽しんでほしいのです。
そして、本当このワイナリーが造る味わいの「バランスの良さ」には、溜め息がでます。
以上の3つは、すべてスクリューキャップになります。弊社では初ですね。
未だにスクリューキャップに悪いイメージが支配しているようにも見える日本ですが、単純に、美味しいから輸入してます。
※「スクリューキャップ論争」ってのが、過去、本当にありましてね。
本場ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアではとっくに収束し、国によってはむしろスクリューキャップがメジャーという所もありますが、未だ日本では「スクリューキャップ=安物で美味しくない」というイメージが支配しているように見えます(あくまで一般的に)。その「コルクとスクリューキャップの違い」ってのはまた詳しく書くかもしれませんが、要は「どういうワインを目指しているのか」というワイナリーの意図、と捉えてください。
裏話ですが、このワイナリーも含め、現地のあらゆるところで
「日本って、まだスクリューキャップに偏見がある…?」
という質問というか懸念を何度かぶつけられました。
で、今日の最後。
Rosé Sparkling 2014(ロゼ泡:ツヴァイゲルト/カベルネ・ソーヴィニョン)
ロゼのスパークリングでっせ大将。
ラベルがオシャンティ過ぎなんですよ。アンディ・ウォーホルみたいで。
品種は先程の「ツヴァイゲルト」と、国際品種の「カベルネ・ソーヴィニョン」の混醸。ということで、爽やかながら、料理に合わせられる幅も結構あります。
香りはラズベリーやイチゴに近いんですかね。“もぎたて”のようですよ。フレッシュながらも、ふわっと甘いニュアンスも。
「味わいも甘いのかな」って一瞬思うかもしれませんが、これがフルーティ&ドライ。可愛らしい果実味と、若干感じるスパイシーな風味。わずかに舌に感じるタンニン。
「ロゼらしさ」の魅力を十二分に発揮してますな。
生ハムやらサラダやら冷製料理から、もうちょい先の料理までカバーできるんじゃないでしょうか。
以上、まずは一つ目のワイナリーから、4種のワインのご紹介でございました。
こんな感じで、「新ワインのご紹介」を続けていきます。