ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

新入荷ワイン紹介 2 チェコ自然派の孤高 〜オレンジ・赤2種〜

 前回記事 

続きです。どんどん行きます。

 

同じくチェコのPetr MARADAのワインをご紹介。

 

 

 

まずはオレンジワインから。

 

Tramín, Orange 2017

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やみつき、というか禁断症状が出る怖れのあるワイン。

数々飲んできたオレンジワインの中でも、私はトップレベルだと思ってますまじで。

 

■品種:ゲヴュルツトラミネール

■熟成:3週間のスキンコンタクト。古樽で8ヶ月の熟成

■砂質土壌

 

Tramín červený』とありますね。

これ、「Gewürztraminer(ゲヴュルツトラミネール)」 のスロバキア/チェコ表記。

 

ラベル表記について

※「červený」=「赤」です。

この「ゲヴュルツトラミネール」という白品種、ブドウが少し赤みがかってるんですよね。そこから名付けられたんでしょう。

 

※オレンジワインの醸造、その意味については ↓ でグダグダ書いてますのでご参照ください。

 

 

『Tramín, Orange 2017』テイスティング 

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【外観】、良〜い色です。かなり濁りがあります。

瓶の底には、澱が見受けられます。ノンフィルターですね。

 

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【香り】。「ふぉぉぉぉお」って雄叫びが聞こえたと思ったら自分でした。

一瞬で景色が変わるような、そんな芳香。

 

まるで紅茶ですね、ダージリンの。それからアプリコットのような甘やかな香り。

あと杉とかハーブ、あとはスパイス、あとはえーとえーとめっちゃ複雑だわこれ

 

このワインで全身洗いたい。このワインの風呂に浸かっていたい。そして私は死ぬと思う。

 

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【味わい】ですが、これまた複雑。

 

普通のグレープフルーツではなく、少し甘みのあるピンクグレープフルーツの果肉みたいなフレッシュさ。そして、このワインの旨みを生んでいる皮の苦味。抱いてください。

酸味は柔らかで、ちょいとウッディで、ちょいとスパイシーな風味がニクい。抱いてください。

口中にほんのり残る苦味も旨くて、ビターオレンジのようなアフターの香りが “ファスゥ〜〜〜ン” って長く滞留。抱いてください。

 

抱いてください。

 

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変な流行り方してるオレンジワインですが、ゲヴュルツトラミネールのオレンジって、実はあまり見ない気がします。

糖度が高いんですよね、この品種。そんな品種でスキンコンタクトしようもんなら、コントロールが大変なんじゃないかなって想像します。

こってりしたオレンジワイン、私苦手なんですけど、これは飲み口も後口もスッキリ。

 

ゲヴュルツトラミネールを見事にオレンジワインに昇華したMARADA。

敬服に値するワインですよ。

 

 

Pinot Noir 2015

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ワイン好きのみなさーん。ピノ・ノワールですよ。

 

世界中あらゆるところで栽培されるピノ・ノワール。

しかしその魅力を最大限引き出すには、土地を選び、極めて慎重な栽培過程を経て、極めて慎重な醸造コントロールを必要とします。付き合うまで気難しいけど、付き合ったらデレデレなやつ。

 

■品種:ピノ・ノワール

■熟成:後期収穫。フレンチオークで10ヶ月の熟成(ブルゴーニュのビオディナミ生産者が使用していた樽)

■砂質土壌

 

そんな品種を、チェコという見知らぬ土地、MARADAという見知らぬ生産者がどんな色合いで表現するのか。

 

「 完 璧 」の一言でした。

 

ラベル表記について

ラベルの「Rulandské modré(ルーランスケ・モドレ)」ってのが、「Pinot Noir(ピノ・ノワール)」のスロバキア/チェコ表記ですな。

 

『Pinot Noir 2015』テイスティング

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【外観】はわかりづらいですよね。すいません、ブタ小屋みたいな撮影環境なんでご容赦。

 

赤なのに、それでも一目でわかるほど濁りがあります。良いガーネットです。

 

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【香り】はね、「完璧なピノ・ノワール」って言葉が浮かびます。

 

甘みの強いラズベリーとかカシス、そしてバラなどなどなどなど。

色んな成分が一気に押し寄せてくるので、考えることをやめたくなります。考えるのはやめましょう。今はこの心地良い香りに穢れたこの身をゆだねることにします。

 

非常に艶やかな芳香なんですが、でもどこか牧歌的な、田園風景を思わせるような。

そんな不思議な香り。

 

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【味わい】。 うますぎる、以上

 

果実味が甘やかなんですよ、本当に。そこに艶っぽい酸味、キメの細かい苦味。

その完璧なバランスがそのまま喉を通ってきます。スルりと、なんの抵抗もなく、トゥルりと。いつの間にか口説かれて、いつの間にかOKしてたみたいに。

色っぽい果実、杉やスパイスの香る余韻がまた格別。

 

これはヤバい。これはヤバいワインです(日本語教育の敗北者感)。

 

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きれいなピノ・ノワールなんですけど、でもやっぱりどこか田舎っぽさというか、“イナタさ” があるんですよね。これがクセになるんです。

また一つ、大好きなワインが増えました。

 

瞠目せよ、チェコ・Petr MARADAのピノ・ノワール。

 

 

Portugieser 2016

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みんな大好き(主に私)、ポルトギーザーですよ。

 

■品種:ポルトギーザー

■熟成:2年間の発酵。オーク古樽で10ヶ月の熟成

■砂質土壌

 

このポルトギーザーさ、2年くらい発酵が止まらなくてさ

 

え……それでどうしたの?

 

どうしよう これ… って静かに見守ってたよ

 

そう…なんだ……

 

これなんの会話?っていう牧歌的なやり取り。Petr MARADAさん、若干天然なところがあります。

 

ナチュラルワインの生産者の間では、このような困った発酵はよくあります。

MARADAの哲学は「介入はシンプルに、タイムリーに」。自然の発酵に任せるってことです。

※“モダンな”ワイナリーではありえません。SO2添加するなどの介入をして、スムーズな発酵完了をしてしまいます。

 

そんなチェコ・MARADAのポルトギーザー、果たしてどんな味わいか。

 

私、恋をしました。

 

ラベル表記について

ラベルにある『 Modrý Portugal (モドリィ・ポルトゥガル)』ってのが、「Portugieser(ポルトギーザー)」のスロバキアおよびチェコでの表記。

 

『Portugieser 2016』テイスティング

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牛舎みたいな撮影環境から失礼します。

【外観】。やはり濁りがありますね。さっきのピノ・ノワールより少し濃いかな。

 

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【香り】。香りを取った途端、ゲラゲラ笑いが出ます。人は私の頭がおかしくなったと思うでしょう。

 

なんという複雑な香り。芳醇なエロさ。色情煽る薫り高さ。

 

甘やか〜な果実香が良いですね。チェリーのよう。抜栓したては、仄かにチーズのようなニュアンス。そしてクローブのようなスパイス香が最高ですね。

 

あとはわからん。ものすごい気持ち良い香り。エロい。

 

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【味わい】。マジヤベー。以上となります どうもありがとうございました。

 

まずは何と言っても、このジューシーな果実味。ポルトちゃんの特徴の一つですね。旨いエキスが身体中に染み込んでいくかのよう。そして、ほんのり乗ってくる苦味がコクになってます。

 

甘い果実、スパイス、バラなどの風味が口いっぱいに広がるんですが、段階的にそのふ雑さが増していくようです。

温かみのある果実の余韻が良いですね。どんどん杯を進めたくなります。

 

なんとも素晴らしいワイン。

 

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先ほどの『ピノ・ノワール 2015』と同じく、この『ポルトギーザー 2016』、やっぱりどこか牧歌的な風味なんですよね。

他の多くのポルトギーザーとかなり趣が異なる。変わった風味。これがクセになる。

 

早く皆様にも飲んで欲しい。そして私の欠落した語彙を補ってほしい。

 

チェコのポルトギーザー。ぜひお試しを。

 

 

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さて、2回に渡ってご紹介しました、チェコの自然派ワイナリー・Petr MARADAのワインたち。

どれも選べないくらいの素晴らしいワインですよ。

 

すでに、一部のレストランやワインバーには取り扱いを開始しておりますが、正直めっちゃ評判高い。めっちゃ売れてる。

 

一般発売は本日から。

ご興味ある方、ご注文お待ち申し上げます。

 

 

※3月4日追記

チェコの自然派生産者・Petr MARADAの販売を開始しました。

 

皆様のご注文、心よりお待ち申し上げます。

Petr MARADA(ペトル マラダ)のワイン

 

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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ

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