ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

私が飲んだワインたち 〜 Glass3 〜

 梅雨、いつ、明けるの

 

 

こんにちは私です代表です村山です。

 

 

 早く明けませんかね梅雨。

夏を愛し過ぎて、もういっそ常夏に移住したい私にとって、暑いのは一向に構わないんですけどね。

同時に、生まれながらにして強めの天然パーマというカルマを背負う私にとって、この時期はなかなかどうしてのっぴきならないエヴリデイな訳です。 ただでさえ、重力という絶対の物理法則を無視ししがちな我が髪の毛たちが、この時期になると、「あれ?時空歪んでる?あらゆる物理演算法則、機能してなくない?」といった風合いになり、鳥の巣っていうか、もういっそ大型のコンドル辺りが「あらあら、ココなかなか良い物件ね」とか言って住み着くんじゃないかなって、そんな季節な訳です。

 

早く、灼熱をエンジョイしたいものです。

 

 

そんな時空物理演算の機能していないフィジカルコンディションの中お送りします、「なんか“それっぽい人”に思われようストラテジー」の第3回。

前回のソアーヴェの記事におきましては、いろいろあって結局、ただの変態みたいになってしまい甚だ遺憾な結果となりましたが、今回こそは。

 

 

今回はですね、なんとフランスワインです。

 

 

「いやわざわざ太字にまでして改まって宣言することじゃねーだろ」感極まる方も多いかと存じますが、私、普段そこまでフランスワイン飲まないんです。別に嫌いとかじゃなくて。

単に、“ワインと言ったらフランス”みたいな感覚が皆無なだけです。多分、ワイン業界どころか飲食業界にさえ居を置いてなかったせいでしょう。

 

そんな些末なことは端にやりコチラ。

 フランスはアルザス地方。2つとも「自然派ワイン」ですね。我ながら“またかよ”って感じですが、特に意図はございません。

 

Vin D'Alsace, Domaine LAURENT BANNWARTH『EDEL 2014』

ローラン・バーンワルトというドメーヌが手掛けたワインなんですが、これは素晴らしいですなぁ。『EDEL(エデル)』ってのは、多分複数品種を使っているんでしょう。この方、他にも色々な単一品種でワインを造っているのですが、私は初めて飲みました。

香りが面白い。一瞬貴腐ワインが頭をよぎるような、甘やか〜な香り。果物なら、洋梨の様な果実香ですね。酸は綺麗にバランスが取れてる上に、ミネラルの乗った酸味って風合いで、フレッシュ感も感じます。若干の苦味もコクがありますし、自然派らしい口当たりの柔らかさも相まって、クセになります。

不摂生を絵に描いたような私の身体に染み渡るようでしたよ。 ワインショップだと、おそらく¥3,000台で買えます。この味わいなら、破格と言えるのではないでしょうか。

 

 

Vin D'Alsace, Domaine JEAN GINGLINGER『Riesling』

こっちは「ジャン・ガングランジェ」というドメーヌによる、リースリングという品種のもの。 きゅっと搾る様な酸味が印象的です。私個人的に、酸の高いワインはあまり好きではないのですが、全く嫌な感じのない、旨味のある酸味といった印象。爽やかなレモンをかじる様な。 蒸し蒸しした暑い夜に、私の仄暗く汚い顔面にこびりつく脂っこい汚れを落としてくれる様な、キリリとした気持ちの良いワイン。 たぶん、こっちも¥2,500〜¥3,000で買えます。

 

以上の2つは、多分“ブランド”のあるところだったら、もっと高くなってるかもしれませんね。

って言うくらい、安いと思います。

 

 

最近は、アルザスでも自然派ワインの生産者が増えてるようですな。 他にもオススメはありますが、あとで。

 

 

アルザス地方ってなんだ

さて、先程「フランスワインはあんまり飲まない」って言いましたけど、その中でもアルザス地方のワインは比較的飲んでる方かもしれません。場所はココ。

 

 

フランス北東部、ドイツとの国境沿い。もうちょい詳しく見ますと、はい倍率ドン。

 

 

上の地図に、ライン川ってあるじゃないですか。有名な川なんでご存知の方も多いかと。このライン川を挟んで、ドイツと国境を接してる地方です。また、ストラスブールってのがアルザス地方の北限辺りになるわけですが、この都市もTVなんかでご存知の方が多いでしょう。EU議会の本会議場があります。昨今、大慌てで揺れに揺れているであろう場所です。

 

そこから南に細長〜くブドウ畑やらワイナリーが続き、フランスワイン産地の一角を成していると。

 

じゃあ「アルザス地方の特徴ってなんじゃい」って話なんですが、白ワインが多いんですよ。というか、ほとんど白なんじゃないかって。

その基本的なスタイルは、「生き生きと爽やかな酸味」と「凝縮された果実味」といったところでしょうか。あくまで、“基本的な”です。 すごくどうでも良い話、私、好きな白ワインが北イタリアに集中してるんですが、アルザスとの共通項として、上記の様な点がある。だからでしょうか、比較的アルザスのワインを飲んでるの。

 

アルザスワインを選ぶメリット

んで、フランスワインの中でも、アルザス地方は好みのワインを探しやすいと思うんですよね。

どういうことかって、ラベル的に。またラベルかよって。しつけーよって。

 

▲(左から)HUGEL『Riesling』 / Domaine MARC KREYDENWEISS『Pinot Blanc』 / Domaine MARC KREYDENWEISS『Gewürztraminer』

いずれも¥2,000〜3,000台で手に入る、アルザスのスグレモノたち。

 

アルザス地方って、その文化的に、『Gewürztraminer』とか『Riesling』とか『Muscat』とかって風に、ラベルにはっきりと品種名を表記しているパターンが多いんです。 これつまり、1品種・単体でワインを造ることが多い文化(産地)と言えるわけです。

 

ってことはそれつまり、「自分の好みの品種」さえある程度分れば、頭真っ白で、カブトムシの樹液の吸い方とか、蚊が一度に吸える血液の量とか、バッタの生態とか、どうでも良いこと考えながらでも、自分の好みのワインに当たりやすい。

と言えるわけです。分かりましたか? 私は書きながらよく分からなくなってきました。

 

↑の、真ん中の例で言うと

 

①生産者名(マルク・クライデンヴァイス)

②品種名(ピノ・ブラン)

 

というように、極めてシンプル。

なんか、選びやすい気がしてきません?あれ?私だけ?

 

▲A.O.C.Pessac-Leognan, 『Château Carbonnieux 1996』

 

対して、同じフランスでも、コチラはあのド級有名産地、ボルドー地方・グラーヴ地域の格付けシャトーに列せられる「シャトー・カルボニュー 1996」。1996って。20年前て。テンション上がりますね。

親友がフランスから買ってきたものですが、酒盛りの時を機に拝借しました。味わいは「圧巻」そのもの。良〜い熟成をしておりました。

 

①生産者名(シャトー・カルボニュー)

②グラーヴ地域の特級だぜアピ

③生産地(地区)

 

でも、品種名表記されてないですよね。生産者/シャトーの名前がドーンとあって、ヴィンテージとか、生産された地区とか。

ちなみにこのワイン、とある品種を3ないし4種混ぜて醸造されてますよ。

すごく乱暴に言ってしまえば、「この産地って言ったらアレとアレとアノ品種が混ざってる、それは分かるよね?歴史ある有名産地だもんね?言わなくても良いよね?」みたいなもんです。

このような場合、この生産者を知らずとも、産地とそこで規定されている品種を知ってれば、各々のワインの味わいは想像できますし、大きく外れることもありません。

 

しかし、知らない方にとってはどうでしょうか。「よくわからんでござる」ですよね?あるとすれば、「フランスのボルドーってなんかすごいんでしょ?」という“ブランド”で買うとか、そんな感じになりますよね。

偶然にもこのワインに出会ったとして、また次の機会、この味わいに再会するためのハードルが高い、という意味です。

 

上述の「アルザスは選びやすい」ってのは、そういう単純な意味です。 風土も含めた産地の特色として、ひいては文化としての、「単一品種による醸造」「その品種の明記」。

だから、自分が好きな品種を探しやすい。そして、好きな品種が分からなければ、それを見つけやすいと。

 

アルザスワイン例外的なラベル表示

「あれ?でも」と思った方、お目が高い。

 

 

最初に挙げたローランバーンワルトさんの『EDEL(エデル)』というワイン。『EDEL』ってのは、生産者が付けた“ワイン名”です。“品種名”じゃなくて

 

このワイン名で、「あぁこのワイン、2品種以上は混ざってるんだな」って、すぐ思いました。

なんでかって、多分『EDEL』って「Edelzwicker(エーデルツヴィッカー)」から取ったんだって推測できるからです。

 

 

これもアルザス地方に特有の文化であり、規定なんですが

単一品種で醸造することの多いアルザス地方では、複数の品種を混ぜて醸造(「混醸」と言います)されたワインに関しては、

 

Edelzwicker(エーデルツヴィッカー)

Genti(ジャンティ)

 

大抵、このどちらかが表記されてます。

これもまた、消費者にとっては分かりやすい、一つの指標になってるわけですな。

 

この「エーデルツヴィッカー」or「ジャンティ」、面白いですよ。

使う品種、その割合は生産者に委ねられてますからね(但し“アルザス品種の中で”に限ります)。その生産者のクセとか好みとか、そういう生産者の個性がより出やすい。

「どんなもんが出てくるんだろう」というワクワク感も味わえますね。

 

 

 

さて、長ったらしく垂れ流してしまい恐縮ですが、以上、アルザスワインのススメでした。

 

 

今度ワインショップにでも行った際には、もう怖いことはありません。

 

「ちょっとマスター(指パチーン) 。そうだなぁ、今日はアルザスのジャンティはあるかい?ゲヴュの比率が多いやつで、シルヴァネールも入ってると嬉しいかなぁ」

 

と、澄ましたバリトン声で言ってみてください。

 

 

きっと、ウザがられます

 

 

好みの品種が見つかったら、アルザス地方で探すのも一興です。

 

 

[本日のオススメ]

・ローランバーンワルト / EDEL(混醸)

・ジャン・ガングランジェ / リースリング

・ヒューゲル / リースリング

・マルク・クライデンヴァイス / ピノ・ブラン

・マルク・クライデンヴァイス / ゲヴュルツトラミネール

その他色々

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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ

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