スロバキア 自然派ワイナリー探訪のお話
こんにちは私です代表です村山です。
私は正常です。
さて本日は、今回新入荷されたワインの中で、特にオススメしたいこと山の如しなワイナリーとワインのご紹介という、それはそれは健全な皮を被った下心をお送りします。
まぁ、その、なんて言うんですか
宣伝ですよ。
あと、「オススメしたい」とか書きましたけど、より正確を期すならば
「このワインめっっちゃ好きウマ過ぎ抱いて愛してる毎日飲みたい身体に塗りたくりたい鼻から吸い込みたい」
ですね。つまり、個人的に大好きなワインなので、“この悦びを教えたい”という単純な思考回路の果てに、私は今立っています。
何かしらの“機会”がないと、ワインなんてわざわざ買わないじゃないですか、特にネットでは。愛好家でもない限り。
なのでね、どんな人が造ってて、どんな場所でブドウが栽培されてて、どんな哲学を持ってワインを造ってるのか。
現地の写真と共に、そんなサムシングの息吹が伝われば、皆様の麗しき食指も動くのではないかと思っている次第でございます。
この記事が、“機会”になれば幸いでございます。
スロバキアで生まれる珠玉の自然派赤ワイン
そのワイナリーとワインが、コチラどーん
▼販売サイト▼
スロバキアの自然派ワイナリー・MAGULA。スロバキア西部、長閑な長閑な片田舎でワインを造る小さな小さな家族経営ワイナリーです。
そして、ワインは一つ。ブラウフレンキッシュという品種です。
販売開始前、ここでも紹介してましたね。
いくつかの飲食店様には、すでに置いて頂いております。こんな胡散臭い男から、いつもありがとうございます。
最初飲んだ時、「えっ なにこれっ!美味しいでござる!」って私は思ったんですが、少し変わった独特のクセも同時に感じたんですよね。
「あれ?私の舌、死んでる? 味覚、崩壊してない?」と、ビビりながらご紹介していたのですが、杞憂だったようです。好評頂いておりますどうもありがとうございます。
現地に視察に行ったときの写真を交えつつ、このワインが造られる場所はどんな所なのか。どんな時間が流れてるのか。
以下、紀行文が始まります。スロバキアに来たつもりで、ゆっくりお読みください。お時間がある時に。
首都から2時間、小カルパチア地方
スロバキアの首都、ブラチスラヴァっていうんですけどね。そこからトコトコ車で走ること2時間程。[小カルパチア地方]と呼ばれるワイン産地に入ります。
「小カルパチア地方」といっても、結構狭いんですけどね。スロバキアでは「Malokarpatská マロカルパツカ」って呼ばれる地域(正確な発音できる日本人、まずいません。スロバキア語、めっちゃムズいです)。
この地方、ヨーロッパを俯瞰すると、ちょうど中心に当たるんですよ。
また、最も古いワインの歴史を持ち、古代ローマ人やケルト人の遺跡も出てきてます。
※弊社HPに、スロバキアワインの歴史をざっとまとめています。私頑張って書きましたので、良心で大人しく誘導されてください。
↓↓↓
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首都ブラチスラヴァの街の賑わいはどこへやら。こんな感じで、もうすっかり何もありません。見渡す限りの田園風景ですね。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずーーっと、こんな風景が続きます。もう、おばぁちゃんのこととか、自分の子供の頃とか、もう戻らないあの時とか思い出したりし始めます。
ワイナリーにほど近く、ようやくブドウ畑が見えてきます。で、丘陵を上がっていくんですが
ね、獣道。
ガッタガタに、揺れに揺れます。写真もブレますよそりゃ。口を開いたら最後、舌噛むの必至なので、キツく口を閉じてじっとします。
↑手を出しているのは、上がるにつれて気候が涼しく感じられてきたので、手を出して確認してるだけです。神に宣誓してるわけでも、私にしか見えない誰かに挨拶してるわけでもありません。私は正気です。
「ちょっと…?この先ワイナリーなんかあるの…?」と、半ば遭難と野宿を覚悟した頃、ワイナリーがこつ然と見えてきます。
長閑な土地、素朴なワイナリー
人によっては、素朴というか、むしろ「え?こんなしょぼいの?」とさえ思う方多いかもしれません。ちょっとワインの知識ある方々は特に。
ワイン専門誌やネットなんかで見る、例えばフランスなんかのワイナリーって、お城とか美術館みたいな豪華絢爛な建物がほとんどなんですよ。
弊社で取扱ってるような、小ワイナリーとか、家族経営のワイナリーって、こういう“こじんまり”とした感じが多いんです。というか、これが普通です。
で、アジアの小さな島国くんだりからやって来た胡散臭すぎる日本人を快く迎えてくださったのが
Vladimir Magula さん。
イケメンかよって。しかもめっちゃ優しいし。完璧かよって。
畑を見る
早速、所有するブドウ畑の一角を紹介して頂きます。
▲良い土です。ふかふか。
1931年に現在のオーナーの先祖が畑を開墾し、ワイン造りを始めたことがこのワイナリーの原点となります。
▲ご紹介するブラウフレンキッシュ。美味しそうに実ってます。かなりいい出来の年だそうです。
専門的なお話で恐縮ですが
土壌の質は、基本的に黄土(レス土壌とも言います)。ミネラル分が豊富で、特にカルシウムの割合が高いとのこと。
さらに、深さもかなりあるそうで、ブドウの根はその深くまで根を下ろし、地中の豊富なミネラル分を吸収してくれる、って事なのですよ。
▲「こっちは比較的新しい方の畑なんだぜ」などなど、畑に関するお話を
今はビオロジック栽培なんですが、来ヴィンテージからはビオディナミに移行するとのことです。めっちゃ楽しみです。
※ビオワインについて、この辺でめっちゃザックリ書いてます
試飲する、外で
んで、まずはいくつかのワインを試飲させてもいます。
ワイナリーの多くって、大体「試飲ルーム」的な場所を設けてるんですけどね
気持ちの良いことこの上ない外での試飲です。わざわざ外に用意してくれました。
なんか、素朴なこのワイナリーらしいなって嬉しくなりますね。
この頃にはもう、頭から「仕事」という文字が、うっすらと消えかけてます。
熟成庫、地下へ
試飲はそこそこに、今度は熟成庫を紹介してもらいます。
最近、新しく新調した倉庫だとのことです。
▲熟成庫の多くは、気温と湿度をなるべく担保する目的で、このように一段深く掘られた所に造られます
美しいですね。清潔に保たれてます。温度も湿度も、良い感じに保たれてます。
並んでいる樽には、熟成中の赤ワインが、静かに瓶詰めされるその時を待ってます。
んで、その熟成中の赤ワイン、ちょっぴり頂きました。こういうのを「役得」って言うんでしょうか。「飲むっ!」って突っ込み気味に答えます。物乞いかよって。
▲こうやって樽の上部からフラスコみたいのを差し込み、吸い出して
▲それをこうやって直接グラスへ
まだまだ熟成中なのでね、暴れた味かなぁなんて思ってたんですが、既にいい感じでしたね。まだ伸びシロのある感じではありますが、口当たりの良さはこの時点で発揮してました。「充分美味しいですやん!」って、つい口をついて出ました、日本語で。
弊社で販売中の「ブラウフレンキッシュ」と、あと「ポルトギーザー」っていう品種などなど。熟成中のワインを一通り頂きましたよ。
と、お話ししてる最中に
おろ?
“え、野良猫?”と思ったら、このワイナリーで飼っている愛猫でした。「何やってんのー?」って、遊びにきたようです。
で、この猫様。名前を聞いたら、『バリックくん』だそうです。笑いましたよ。
※「バリック」って、ワインを熟成させる小樽(場所によって変わるけど、225ℓ程度の小さめの樽)の事です。
このワイナリーの造るワインのほとんどは赤なんです。本当好きなんでしょうね。しかし、猫にバリックって…
熟成庫を出る時は、彼が先導してくれます。
▲バリック「さぁ出ますよ。こっちです」
再びワインを試飲する、外で
「場所を変えて飲もう」って事で、再び飲み会を再開試飲します。
どこで飲むのかなーって思ったら
最高かよって。
気持ち良い空気と景色。言うことありません。
もうこの頃には、仕事のことなんか欠片も頭にありません。
▲気持ちの良い風が吹きます
▲ワイナリーの敷地はかなり広いんです。「子供がいつも走り回ってるよ」って言ってました。こんなとこで伸び伸び育つなんて、良い教育ですね
▲造っている赤ワインのすべてを飲ませてくれました
さっきも言いましたけど
本当ね、赤押しなんですよ。もう赤しか飲みませんでした。
私「白ワインも造ってるでしょ?」
Magulaさん「うん、まぁ、ちょっとは造ってるけど。赤が良いよ赤。やっぱ赤が良いんだ。ほら、こっちも飲んでくれや」(赤ワインをドボドボつぎながら)
うん、赤に自信ありなのね。
どれも個性の突出したワインです。
でも、やはりその味わいには1本の柱を感じます。言葉にすると難しいんですけど、「この人の造る味はこうなんだな」と、納得させられる何かがあります。
その中で、「口当たりの優しさ」は全ての赤ワインに共通していました。
そう、だからね
飲んじゃうんですよ。ゴクゴクと。
独特の地形が生む独自のテロワール
▲地形の説明をしてくれてます。
ここね、ローズバレー(薔薇の谷)とウルフバレー(狼の谷)と呼ばれる2つの地域に拓かれた場所に畑があります。
めっちゃカッコいい名前ですよね。日本の「男体山」「女体山」なんかと、えらい違いですね。
丘陵が複雑にうねっているわけです。この地形が、一線を画す微気候(「ミクロクリマ」とか「局所気候」とも呼ばれます)を生み出している、ということ。
昼間は、陽光がブドウの実によく当たり、そして夜間、一気に気温が下がる。
糖度の生成とともに、ワインには重要な酸の生成も確保されます。
そして、上述した土壌。鉱物質の多いレス土壌が、最終的なワインの味わいにミネラル感を与えている、とのこと。
例に漏れず、暗い時代を辿ったワイナリーの歴史
スロバキアって、ちょっと複雑な歴史を歩んでるんです。日本ではあまりピンと来ないような。
※ここでスロバキアの歴史についてザックリ書いてます。
1931年に現在のオーナーの先祖が畑を開墾し、ワイン造りを始めたことがこのワイナリーの原点となります。
で、何があったかは↑↑のリンクにある通り。同じく、このワイナリーも暗い時代を辿っていました。
長く国に支配されていた畑を取り戻したのは、民主化後の2001年。ブドウ栽培とワイン造りの知識は、祖父から引き継いでいたものの、畑は荒廃し切っていました。
先祖の歴史と伝統を回復すべく、再開墾に着手し始めます。同時に、現オーナーは世界各地の畑や醸造所を見回り、ワイン造りの知識や経験を蓄えます。
その中で、ビオディナミ栽培による自然なワインに出会い、自分の進むべき道、造るべきワインを見つけます。
ってのが、大まかなワイナリー・MAGULAの歴史。
こんな話を聞くと、飲んでいるワインもちょっぴり変わってきます。
▲バリックも飲みにきました
そこで生きる人間のためにも
「ワインのすべては畑から始まる」という強固な思想が根底にあります。話し振りからも、よく伝わってきました。
ブドウは全て自社畑の管理のもとに行ってますが、その面積、たったの10ヘクタール。ワイナリーとしてはかな〜り狭いです。
でも、これを超えてしまうと、現在実行している「徹底した収量制限と栽培管理」を行えなくなるってことですな。
▲ゆっくりと静かに、時間が過ぎていきます
農薬、化学肥料の類は一切使用せず
発酵はその土地の自然酵母に任せ
添加物に頼らない醸造
自然なワイン造りの道。
これ、“自然に優しい”のはもちろんなですけど、この仕事に携わる人間、そしてここに生きる人間にとっても優しくあることなんですよね。
言葉では当たり前なんですけど。こういう意識が根底にある、そこから見ている世界。
私には見えない景色が見えてるんだな、と。
彼、こんなことを言ってました。
「化学薬品を使った畑に、自分の子供は入れられないだろ?子供にもMAGULAの畑で土を触って、嗅いで、自然を学んで欲しい。」
あぁ、これが、このワイナリーを表現する全てだ、それで充分だ
と思うわけです。
ってなわけで、このワインを日本に持ってきたかったんです。
この味わいを、日本の皆さんに一人でも多く知ってほしかったんです。
スロバキア共和国、小カルパチア地方
赤ワインに特化した、生粋の自然派生産者MAGULA
Frankovka modrá 2014(ブラウフレンキッシュ)
少量ですけど、持って来ました。
無名ですが、世界のどこにも負けないワインだって、私はそう思ってます。
ご興味あれば是非。
それでは、スロバキアの風景を背景に、一緒にワインを飲みたそうなバリックの可愛い顔をご覧に入れ、本日はこの辺で。
皆様、良い酒活を。
※スロバキアワインの歴史についてはコチラ
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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ
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