庭から石油が出たら即永住する町ランキング第1位 〜 全うする生と意志 〜
〜 前回続き 〜
〜前回あらすじ〜
ここチンクエ・テッレで先祖代々続いていたワイナリーを再興させた兄弟に出会い、その情熱とワインに触れ、同時に断崖の斜面角度をモロに体感し恐怖した私のアドレナリンとサムシングは、眼前に広がる美しい地中海にゆっくりと溶け込んでゆくのであった。
私、今、世間はお盆休みに沸き立つ休日に、これを書いてます。
休日返上で仕事してる時によくあることですが、Facebookなんかで「いえ~いwwww」みたいな感じでリゾート感満載の写真付き投稿とか目に入ると、持ってるスマホをブーメラン状にして投げ出したくなりますよね。円盤投げ競技の要領で。早速、全然関係ない話してますけど。
「ワイン」とか「産地」みたいな、ある種専門的だったり嗜好性の強いジャンルのことを書いてるといつも思うんですが、自分の生活に掠りもせず、行く予定もない場所の紹介されてもきっと退屈ですよね。
ご興味のない方はもちろん飛ばして頂いて構いません飛ばしたらその者に不幸が起きる呪いをこの記事に込めていますけども。
このブログの説明にも明記してますが、当ブログにおいては「ワインなんて全くわかんねーよ」「興味ねーよ」という方に向けて主に書いてます。
そのワインの生まれた土地の空気や風土を少しでも知って欲しい、という私のエゴではありますが、お付き合い頂ければ幸いです。
さて、番外編的なサムシングという風合いで、今回は陸路にてチンクエ・テッレを観光もとい遠足もとい散歩もとい視察します。
ボッチで「愛の小道」
↑は「愛の小道」(Via dell'Amore ヴィア デル アモーレ)という、リオマッジョーレ / マナローラ、2つの村を繋ぐ有名な遊歩道。
チンクエ・テッレも、今では各々の村を車で行き来できる山道が一部通ってますが、このような海岸沿いを繋ぐ遊歩道はココしかない、はずです。
※ちゃんと、この遊歩道入り口の看板、撮り忘れました
電車で一駅行けば良いんですけどね、運行表アテにならないんですよ。時間通りに来るときは来る、来ないときはとことん来ないシステムだし、せっかくだから歩いてみようじゃないかと。
Via dell'Amore「愛の小道」。イタリア語で「愛」は「Amore アモーレ」。「あぁ、愛しき人よ」なんて言う時、「Amore mio アモーレミーオ」なんて表現しますね。
イタリア人男性って、愛情表現がすごいイメージあるじゃないですか。実際、旅をしているとそういう人も結構見かけます。日本人女性と見たら、すれ違う度にウィンクとかね。私がやったらキモいこと山の如しないんですが。
でも結局、人によります。視察したワイナリーの方々なんかでも、恥ずかしがり屋さんな人だっています。前回ご紹介したワイナリーの兄弟だって、非常に素朴な方達でした。それぞれの“地方色”ってのだってあります。
あと話逸れますが、多くの日本人が抱くイタリア人のイメージって、すごくオシャレないわゆる”ちょいワルオヤジ”でしょ。これもずいぶん偏った偏見です。“憧れ偏見”とでも言いましょうか。
そりゃローマとか、フィレンツェとか、特にファッションの都・ミラノなんかは、そのイメージまんまの人を見かけますが、ちょっと郊外、特にこういった田舎なんかはそんな人まずいません。「そのままの自分で良いや」みたいな、素朴で、農夫のような人ばっかですよ。
壮大な地中海を臨む、断崖絶壁の道が続きます。「愛の小道」というその名から想像がつくかと思いますが、元々は地元のカップルが手を繋ぎ、愛を語り合いながら歩くデートコースでした。
夕日に輝く地中海が目一杯に広がる、崖沿いの小道。
こんなロマンチックなシチュエーションでプロポーズでもしようもんなら私でも堀北真希辺りを落とせるのではないか、そんな愚妄さえ立ち上がります。きっとフライパンにこびり付いた焦げを見るようなを目で「はぁ?」って言われるでしょう。
どこまでも続く断崖。
水平線まで広がる美しい海。
そこには、これまでここを通った多くの恋人たちの、甘い愛の言葉が刻まれ、溶け込んでいる。
そんなロマン溢れた「愛の小道」を、むさ苦しい上に胡散臭い日本人の男が、一人歩いている場面をご想像ください。
もう この世の終わりですよ。
私、この世の終わりを体現してきました。
▲「愛の小道」中間地点にはこんなモニュメントがあり、独り身の精神にダイレクトアタックを仕掛けてくるので要注意です
そのせいでしょうか
私がこの「愛の小道」を歩いた数日後、崖崩れが起こり「愛の小道」は一時通行止めになっています。これほんとに。そんなにも邪気をほとばしらせてたんでしょうか。数日違えば、私は今頃、海の藻屑だったことでしょう。
裏路地のススメ
美しい海や畑の風景ばかりでしたが、所変わって、路地。
典型的なチンクエ・テッレの建物群。斜面に沿って、積み重なるように建物が建ってますね。色合いが非常に可愛らしい。バラバラなのに、どこか統一感がある。
この中って、どうなってるのか。それはもう、入り組んだ路地になってます。
私、生粋の路地マニアだって知ってました?もう路地と見たら、夢遊病患者のようにフラフラとその路地に吸い込まれるくらいですよ。神楽坂とか、良いですよね。
(神楽坂じゃないですよ?)隙間なく積み重なる建物群を外側から見て、その中がまさかこんなにも迷路のようになっているとは思ってもみませんでした。
そして、視察してきた代々ここでワインを造ってきた小規模ワイナリーって、本当にこのような入り組んだ路地にあったりまします。
こんな風に、建物の間をすり抜け
時には、建物自体の中を通り
メインの通りと行き来します。
路地マニア同志の方々には言うに及ばず、チンクエ・テッレへのご旅行を予定する方。海や海岸ばかりでなく、このような路地に入ってみるのも一興ですよ。
夕日を見て思う 人の生とか意思とか
さて、最初の記事に書いたんですが、初日のヴェルナッツァ。トンネルを抜けたらそこは修羅の町でしたでござるの巻ですね。
まさかの大荒れだったわけですが、リベンジしようじゃないかと、再度町の海岸へ。
今日の海はきっと優しい。そう期待できます。
イッツ ソー ビューティフォー
リベンジ完了です。
よく、“海外に行って人生観変わる”的なことを目にしますが、私の場合、自分が変わるなんてこと一切ありません。
こんなことで人生観変わってるなら、今頃爽やか青年実業家的にNPO法人でも立ててるか、出家でもしてるか、毎度毎度こんな駄文も書いてないでしょう。
こんなところで生きている人々がいるんだ
こんなことをして全うする人生があるんだ
こんな価値観があるんだ
文化・歴史があるんだ
それを受け継ぐという意思が存在するんだ。
ただ、そのようには感じます。
そんな、日常とはかけ離れた何かだったり、様々な人間の意思が存在するんだということを、一端でもお伝えしたいと思うのが人の性ですが、私の場合その媒介となるものが、今たまたまワインであるわけですね。
考え無しにつらつら書殴りましたが、要は
チンクエ・テッレのワイン美味しいよ 飲んでみてね
ってことです。宣伝で恐縮です。
書き連ねた風景や歴史、ワインを造る人々の意志に思いを馳せつつ、飲んで頂けたら幸いです。
夕日を見て、涙が出そうになったのは、人生でこれが初めてでした。
そんなチンクエ・テッレの落日をご覧に入れ、本日はおいとまです。
皆様、良い夏を。
※HPリンク
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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ
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